【7月4日 AFP】オランダの首都アムステルダムの市長が3日、同市の有名な赤線地区「ワレン(Wallen)」改革の一環として、売春婦たちが客引きをする「飾り窓」をカーテンで覆うことを提案した。

【関連記事】世界一有名な赤線地区の「おばあちゃん」売春婦姉妹、オランダ

 運河沿いに立ち並び、主要駅からも程近いワレン地区の飾り窓と売春宿は、毎年1800万人の観光客が押し寄せるアムステルダム屈指の観光地となっている。

 同市初の女性市長フェンケ・ハルセマ(Femke Halsema)氏は、セックスワーカー(性労働者)の労働環境改善と犯罪抑止、大規模な観光化による負荷の軽減を目的として4つの案を提示。

 市長室は声明で、「多くの観光客にとって、セックスワーカーは見るだけの存在になった。窓の中にいるセックスワーカーに混乱をもたらす振る舞いや失礼な態度を伴うケースもある」「同時に、無許可でひそかに行われる売春も大幅に増加してきた」と述べた。

 市長の第1案は、「セックスワーカーと仕事場が路地から見えないように、飾り窓のカーテンを閉める」というもの。

 他には一部の飾り窓をワレン地区から市内の別のエリアに移す案や、ワレン地区内の飾り窓を閉鎖し、別の場所に新たな赤線地区を設置する案もあった。

 市がワレン地区内の飾り窓の店舗数を現在の330軒という水準から増加させたり、売春用のホテルを設置したりする可能性もあるという。

 市長は7月中にセックスワーカーらと住民、地元の事業者らと会談する予定で、アムステルダム市議会は9月、市長の提案について議論することになっている。

 オランダは2000年、売春を合法化。セックスワーカーは地元の商工会議所に登録し、所得税を納める。

 公式統計によると、アムステルダムの売春ビジネスには、約7000人が従事。うち75%は東欧を中心とする低所得国出身という。(c)AFP