【7月3日 AFP】先月下旬にフランスを襲ったような記録的な熱波が発生する可能性は、気候変動によって少なくとも5倍高くなっているとする研究概要を、世界の極端な気象の要因を分析しているワールド・ウェザー・アトリビューション(World Weather AttributionWWA)が2日、報道陣に明らかにした。

 先月26~28日の3日間に観測された高い気温は、発生頻度が同程度の熱波が1900年に発生した場合に想定される気温より4度高かったと考えられるという。

 一方、欧州のコペルニクス気候変動サービス(C3S)の観測によると、欧州の気温は例年と比べ約2度高く、また地球全体では昨年6月の気温と比べて0.1度高かった。

 先週、欧州ではサハラ(Sahara)砂漠から吹き込んだ熱風による熱波に見舞われた。欧州全域が異例の猛暑に見舞われ、各地で単日での過去最高気温の記録が塗り替えられた。C3Sによるとフランス、ドイツ、スペイン北部、そしてイタリアの各地で気温が例年を最高で10度も上回った。

 またフランス、イタリア、スペイン、さらに中欧諸国の一部では最高気温の記録が更新された。1週間続いた熱波による死者は数十人に上った。

 政府統計によると、フランスで2003年に熱波が発生した際には、その影響で少なくとも1万5000人が死亡した。(c)AFP/Marlowe HOOD, Patrick GALEY