【7月1日 AFP】米政府とベネズエラの野党勢力は6月30日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対するクーデター計画に関与した疑いで拘束されていた海軍将校が「拷問」を受けて死亡したとして、マドゥロ政権を激しく非難した。

 ベネズエラの野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長とマドゥロ大統領の対立によるこう着状態が5か月以上も続く中、米国務省は海軍将校ラファエル・アコスタ・アレバロ(Rafael Acosta Arevalo)氏の死の責任があるとしてマドゥロ大統領を非難した。

 米国務省は、アコスタ氏は「マドゥロ大統領が差し向けた暴漢とキューバ人顧問らによって拘束されている間に死亡した」とし、「米国は、アコスタ氏の殺害と拷問を激しく非難する」と述べた。

 一方、米国など約50か国から暫定大統領として承認されているグアイド氏は6月29日夕、アコスタ氏は「拷問を受けた末に」死亡したと発表していた。

 アコスタ氏はマドゥロ大統領に対するクーデター計画に関与した疑いで逮捕された13人のうちの一人。ベネズエラ政府は、クーデター計画にはグアイド氏も関係していたとみている。

 ベネズエラ政府は6月26日、将校らによるクーデターの試みを阻止したと発表していた。これによると、計画されていたクーデターは6月23日から24日の間に実行される予定で、大統領および複数の高官の暗殺も企てられていたという。

 中南米諸国とカナダでつくる「リマ・グループ(Lima Group)」はアコスタ氏の「暗殺」を強く非難するとともに、ミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)国連人権高等弁務官に介入を要請した。(c)AFP/Guillaume DECAMME