【6月29日 AFP】米大リーグ(MLB)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の田中将大(Masahiro Tanaka)は28日、今週末に英ロンドンで迎えるボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)との「歴史的」一戦に登板することについて「光栄」と語った。

 ヤンキースは、29日と30日にロンドン・スタジアム(London Stadium)で宿敵レッドソックスと2連戦を行うことになっている。MLBの公式戦はこれまで日本をはじめオーストラリア、メキシコ、プエルトリコで開催されていたものの、今回の「ロンドンシリーズ」は同リーグにとっては欧州初上陸となる。

 日本を代表するスター選手で、29日に先発予定の田中は、この記念すべき日にマウンドに上がることをとても楽しみにしており、「MLBの歴史にとっても、また一つのページになるので、その日に投げられるのは非常に光栄」と報道陣に語った。

「実際に投げることが決まって、そういう歴史的な日に投げられるのはうれしい」

 米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)が2007年からロンドンで公式戦を開催して認知度を高めているように、MLBもリーグで最も注目度の高いカードを同地でプレーすることによって、市場拡大につながることを期待している。

 野球人気が高い日本育ちの海外選手として、田中はこのスポーツの歴史的瞬間に自分が投げることがより大きな意味を持つと自覚しており、「野球の良さや魅力をたくさんの人に知ってもらう機会。野球のマーケットが広がっていくチャンスだと思う」と話した。

 初めてのロンドン訪問となった田中だが、ア・リーグ東地区の首位固めに向けてヤンキースを勝利に導くことに集中している真面目な30歳は、市内観光にふけるつもりはなく、「投げる予定がないなら少しは楽しんだかもしれない」と話すにとどまった。

「日本からMLBの世界に来たのも自分にとってはビジネストリップなので、全く楽しもうという気はなかった」「来るのは初めてで、街並みとか風景は車で移動しているときしか見ていないけれど、自分にとっては新鮮だった」

 田中はまた、本拠地ヤンキー・スタジアム(Yankee Stadium)とは全く違うスタジアムでプレーすることについても不安はないといい、「日本で長くプレーしていたので、そこに関しては見慣れた光景。投球に関しては作戦的な部分もあるので、ここでは言えない」とコメントした。

「どこでやっても初めて投げるという機会はあるので、そこに関してはそれほど心配していない。このあと少し時間をもらったので(マウンドを)チェックしたい」「マウンドに上がったら、自分は自分らしくということが大事だと思う」 (c)AFP/Steven GRIFFITHS