【6月27日 AFP】(更新)南米の社会主義国家ベネズエラの政府は26日、将校らによるクーデターの試みを阻止したと発表した。ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を暗殺し、後任に軍司令官を置くことを狙ったもので、米国とコロンビア、チリが関与したと主張している。

 発表を行ったホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodriguez)通信情報相によると、クーデター計画には現役・退役軍人が関与し、今月23日から24日の間に実行される予定だった。

 ロドリゲス氏は、コロンビアの右派大統領イバン・ドゥケ(Ivan Duque)氏が「クーデターと大統領暗殺を計画」したと主張したほか、チリの保守派大統領セバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)氏とジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も計画に関与したと非難した。

 ベネズエラ当局は今月、4月30日のクーデター未遂事件に関与したとして、17人を訴追したと発表していた。4月の事件では、野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長が軍にマドゥロ氏に対する蜂起を呼び掛けたものの、軍の反旗にはつながらず、デモ隊と治安当局とが2日間にわたり衝突し死傷者を出した末に収束した。

 グアイド氏は米国を含む50か国以上から暫定大統領として認められており、米国はマドゥロ政権に対して一連の厳しい制裁を科している。(c)AFP