【6月27日 AFP】米国とメキシコの国境を流れるリオグランデ(Rio Grande)川で、米国入りを試み水死したエルサルバドル人男性とそのほぼ2歳になる娘の遺体を写した痛ましい写真が公開されたことを受けて、米国の野党・民主党は憤りを表明し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の移民政策に対する批判を強めている。

 民主党から2020年大統領選への出馬を表明しているベト・オルーク(Beto O'Rourke)元下院議員は、「トランプはこの死に責任がある」と主張。ツイッター(Twitter)で「トランプ政権がわれわれの法律に従うことを拒否し、難民が通関手続き地で亡命を申請することを阻止している」ために移民の家族が通関手続き地ではない場所から入国することになり、「多大な苦難や死を生んでいる」と指摘した。

 一方のトランプ氏は、「民主党が成立を阻んでいる適切な法律さえあれば、こうした人々は(米国に)来ないだろう」と述べ、責任は民主党議員らにあると反論した。

 メキシコの日刊紙ホルナダ(Jornada)によると、写真の親子は亡命希望者のオスカル・アルベルト・マルティネス・ラミレス(Oscar Alberto Martinez Ramirez)さん(26)と娘のバレリアちゃん(1歳11か月)で、23日にメキシコからリオグランデ川を渡って米テキサス州に入ろうと試み水死した。

 この写真は多くの人にとって、ギリシャに向かう途中にトルコ沖合で水死したシリア人男児を写した2015年の写真を想起させた。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)はこの写真を1面に掲載し、社説で「米国には国境警備と正義、人道を合わせた移民政策が必要だ」と訴えた。(c)AFP