【6月26日 AFP】米国とメキシコの国境を流れるリオグランデ(Rio Grande)川で、メキシコ側から同川を渡って米国入りを試みたエルサルバドル人男性とその2歳の娘が水死した。その衝撃的な写真が公開され、激しい怒りを巻き起こすとともに、亡命希望者が直面する危険が改めて浮き彫りになった。

 AFPが入手したメキシコの裁判所の法廷記録によると、オスカル・マルティネス・ラミレス(Oscar Martinez Ramirez)さん(25)は妻(21)と娘を連れてエルサルバドルから逃れ、23日午後、川を渡る決心をしたという。

 その際ラミレスさんは娘を守るため、おんぶをしてその上からTシャツを着ていた。しかし激しい水流にのまれて流され、父子は母親の目の前で溺れた。母親は生き延び、対岸にたどり着いたという。

 ラミレスさんと娘の遺体は25日、メキシコ北東部タマウリパス(Tamaulipas)州マタモロス(Matamoros)で発見された。

 若い父親と幼児がうつ伏せになって水面に浮かんでいる一連の写真は、エルサルバドルとメキシコ国内で激しい怒りを呼んだ。メキシコ政府はこれまでにも、移民の処遇をめぐって厳しい批判にさらされている。(c)AFP