【6月26日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の火星探査車キュリオシティ(Curiosity)が先週、過去7年におよぶ火星探査ミッションにおいて最高濃度のメタンガスを検出し、微生物の存在の証拠になり得るかどうか、期待が高まっていた。

 しかしNASAは25日、高濃度のメタンガス検出後、週末にかけて行われた実験でメタン濃度が通常レベルに戻っていたことを明らかにし、一時的な濃度の上昇はキュリオシティが過去に何度か検出している一過性のガス放出現象によるものだった可能性を示唆した。

 NASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion LaboratoryJPL)の研究員、アシュウィン・バサバーダ(Ashwin Vasavada)氏は、「メタンガスの計測を継続する熱意をこれまでになく強く持っている。われわれの知能を総動員して火星の大気中でメタンガスがどのように作用しているのか突き止めたい」と述べた。

 メタンガスの検出について考えられる主な可能性としては、太古に存在した生命体によって生成され地中に貯留されていたメタンが地表に漏れ出たという説がある。また炭酸塩岩や二酸化炭素(CO2)内の炭素が、水に含まれる水素と反応することによって、メタンガスが生成されている可能性も考えられている。(c)AFP