【6月25日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が、四大大会(グランドスラム)以外の主要大会で優勝しながらも、その快挙を見過ごされている若手選手に同情を寄せた。

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 37歳のフェデラーは、23日のノベンティ・オープン(NOVENTI OPEN 2019)決勝で自身が持つ最多記録を更新する10度目の大会制覇を果たし、シングルスでキャリア102回目の優勝を飾った。

 同日には、同い年のフェリシアーノ・ロペス(Feliciano Lopez、スペイン)も、フィーバーツリー選手権(Fever-Tree Championships 2019)を制してタイトルを獲得している。

 フェデラーは自分を筆頭にラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)らベテラン選手の活躍が、若手選手の台頭を許していないと認め、「自分やラファ、ノバクがいる限り、若手選手が頭角を現してテニス界を席巻するのは簡単ではないだろう」という認識を示した。

「若手が活躍した方が、このスポーツにとっては良いことなのだろう。人々は現状を気に入っているようだが」

 その一方でフェデラーは、ステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)やカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)、ボルナ・チョリッチ(Borna Coric、クロアチア)ら若手の活躍が見過ごされていると強調した。

 22歳のチョリッチは、昨年の独ハレ(Hale)大会決勝でフェデラーを撃破。23歳のカチャノフは、同年11月のパリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2018)決勝でジョコビッチからストレート勝ちを収め、さらに今年に入ってトップ10入りも果たした。

 フェデラーはこれらの勝利が十分に認識されていないと強調し、その原因は四大大会(グランドスラム)に注目が集まり過ぎているためだと分析した。

「グランドスラムに注目が集まり過ぎる昨今の現状は、フェアじゃないと思う」「自分が若手だった頃は、初めてのマスターズ1000(ATP Masters 1000)制覇やトップ10入りは、大きな快挙だった」「ハチャノフもパリの決勝でジョコビッチを倒している。ただのベテラン選手を倒したのとはわけが違う」 (c)AFP