【6月21日 AFP】ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシで20日、ロシア議員が議会の議長席から演説を行ったことに抗議する約1万人のデモ隊が、議会内に突入を試みた。

 現場のAFP記者によると、議長の辞任を求めるデモ隊が、機動隊の非常線を突破し、議会の中庭に侵入。デモ隊は機動隊に押し戻されたものの、一部は建物内への侵入を試み続けた。

 これに先立ちトビリシ中心部では、イラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)議長の辞任を要求するデモが行われ、数万人が参加していた。

 デモのきっかけとなったのは、正教徒が国民の多数を占める国々の議員が集まる「正統派的信仰に関する議会間集会(IAO)」の年次総会で、ロシア共産党のセルゲイ・ガブリロフ(Sergei Gavrilov)議員が議会の議長席から行った演説。断固とした親欧米寄りの立場を取るジョージアで同議員が行った議会演説は、国内で激しい反発を呼んだ。

 旧ソ連構成国であるジョージアは2008年、同国からの独立を主張するアブハジア(Abkhazia)と南オセチア(South Ossetia)の両地域をめぐり、ロシアと衝突。交戦はジョージアの敗北により短期間で終わったものの、多数の死傷者が出た。(c)AFP