【6月19日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest、標高8848メートル)の春の登山シーズンに当たる5月に同峰を登頂した人の数は今年、史上最多の885人に上ったことが18日、明らかとなった。一方で登山客が混雑するなどの事態も発生し、死者は11人に上った。

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 今年は悪天候により登山可能な期間が短く、標高8000メートル以上の通称「死のゾーン」が登山者で混雑したことで死者が出たともされたものの、登頂者数は昨年5月の記録である807人を上回った。

 エベレストはネパールと中国にまたがっており、当局の18日の発表によると、南のネパール側から登頂した人の数は昨年よりも81人多い644人だった。

 また中国国営新華社(Xinhua)通信の報道によると、チベット側の北陵ルートから登頂した人の数は昨年より3人少なく、241人だった。

 一方で死者数は2015年以降最多となり、少なくとも4人は混雑が原因で死亡した。混雑によって登山者たちはいてつく寒さの中で何時間も待たねばならず、凍傷や高山病にかかったり、酸素不足による極度の疲労に陥ったりするリスクが高まったという。

 専門家らは新たに押し寄せるようになった登山者について、準備も経験も不足している人が多すぎると指摘。登山許可証の発給数削減や、ガイドに関する基準の厳格化を求める声も上がっている。

 そういった中、ネパール人登山ガイド(シェルパ)のカミ・リタ・シェルパ(Kami Rita Sherpa)さんは今年、エベレストを2回登頂し、自身の持つ登頂回数の世界記録を24回に更新した。(c)AFP