【6月19日 AFP】エクアドルのレニン・モレノ(Lenin Moreno)大統領は18日、ガラパゴス諸島(Galapagos Islands)に米軍基地が設置されることはないと断言した。エクアドル政府は前日、米軍機にガラパゴス諸島の空港使用を認めたと発表し、物議を醸していた。

 モレノ氏はツイッター(Twitter)に、「この国に外国の軍事基地は、現在も未来も存在しない」と投稿した上で、ガラパゴス諸島の保全への意欲を示した。

 オズワルド・ハリン(Oswaldo Jarrin)国防相は17日、米政府と合意した空中監視協定により、サンクリストバル(San Cristobal)島の空港での米軍機の燃料補給や一時滞在が可能になったと明らかにし、物議を醸していた。

 ハリン氏によれば、米軍機は麻薬密輸や密漁を取り締まる監視活動に参加するが、サンクリストバル島の空港の使用は「月に1度、3日間まで」に限定されるという。

 モレノ氏は、「空中監視は、この世界遺産(ガラパゴス諸島)を保護するために複数の国々が行っている共同活動」「平和と主権、国家安全保障は、われわれが先人から受け継いだもの」と強調した。

 モレノ氏の前任であるラファエル・コレア(Rafael Correa)前大統領は2007年、麻薬密輸取り締まりのために米軍に貸与していた港湾都市マンタ(Manta)の基地について、2009年に期限切れを迎える基地貸与協定を更新しないと決定した。

 しかし、エクアドルと米国の両政府は新協定に合意。米軍機は昨年9月から、エクアドル南西部の沿岸都市グアヤキル(Guayaquil)の基地を使用し、麻薬密輸や密漁の取り締まりを行っている。

 エクアドルと米国の関係は、反米左派だったコレア前大統領時代の2007~2017年には緊張状態にあったが、モレノ氏の就任以来、改善している。(c)AFP