【6月19日 AFP】自転車ロードレースのツール・ド・スイス(83rd Tour de Suisse)で18日、チームイネオス(Team Ineos)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)が激しく落車してリタイアするアクシデントが発生した。

 イネオスでは、クリス・フルーム(Chris Froome、英国)が大けがをして今年のツール・ド・フランス(2019 Tour de France)を欠場することが先週に発表されており、チームとしては手痛い事態が続いているが、トーマスの今年のツールの出場には支障はない見込みだという。

 アクシデントはこの日行われたツール・ド・スイス第4ステージの残り30キロメートル付近で発生。落車したトーマスは、意識がもうろうとしたような真っ青な顔で、体を激しくすりむき、右肩を押さえていた。その後、チームがツイッター(Twitter)で「(トーマスは)ツール・ド・スイスをリタイアせざるを得ない。意識はあり、クラッシュ後もチームと話をしているが、これから病院へ向かって検査を受ける」と発表した。

 トーマスは2018年のツール・ド・フランスの総合王者で、今回のツール・ド・スイスでも総合優勝を狙える好位置につけていた。

 チームはその後に再度情報を更新し、トーマスが「肩のすり傷と右目の上の切り傷」の治療を受けたこと、「今回のクラッシュがツール・ド・フランス出場に影響する可能性は低く、すでに本人も、7月6日にブリュッセルでスタートラインに並ぶのを楽しみにしている」ことを明かした。

 トーマス本人もコメントの中で「もちろん不本意だし、ツール・ド・フランスに向けた準備という意味では少し痛いが、ブリュッセルでのスタートまでにはまだ十分に時間がある」と話した。

 クラッシュについては、「道路に急に段差が現れ、アスタナ(Astana Pro Team)の選手がそこに乗り上げて転倒し、僕も逃げ場を失った。肩と顔から落ちて、かなり流血もした」と明かし、「頭のけがには常に慎重にならなくてはいけない。個人的にはぜひ続けたかったが、リタイアを決めたのは医師の適切な判断だった」と続けた。(c)AFP