【6月20日 Xinhua News】中国と米国の古生物学者が16日、中国江蘇省(Jiangsu)新沂市(Xinyi)の馬陵山(Malinshan)地区で新たに恐竜の足跡四つを発見したと北京で発表した。足跡は今からおよそ1億年前のもので、中国の白亜紀初期の恐竜群の分布と進化を研究する上で重要な意義を持つという。

 この研究は中国地質大学(北京)の邢立達(Xing Lida)准教授と米コロラド大学足跡博物館のマーティン・G・ロックリー館長、英良世界石材自然歴史博物館の鈕科程(Niu Kecheng)執行館長、徳煦(Dexun)古生物研究所の冉浩(Ran Hao)所長らが共同で完成させたもので、論文は中国の地質学分野の総合学術誌「地質通報」に掲載された。

 古生物学と地質学の専門家はすでに1980年代に、馬陵山の中生代白亜紀層で、小型の竜脚類や獣脚類の恐竜のものなど多数の恐竜の足跡を発見した。しかし、発見時に野ざらし状態だったそれまでの恐竜の足跡とは異なり、新たに発見された足跡は馬陵山風景名勝区の観光名所となってきた場所にある。

 邢氏によると、この観光名所とは唐代末期の名将、李存孝(Li Cunxiao、858~894年)が人々のために虎を退治した際に残された彼と虎の足跡だとされてきたもの。民間でこのように誤って伝えられてきたが、「そのうち『人の足跡』の方は、獣脚類の恐竜の足跡の3本の足指部分が長い年月の中で風化して消えてしまい、ヒトの足に似た輪郭になったもの」ということだ。

 科学研究者らは現在、この希少な恐竜の足跡の保護措置を講じるとともに、科学教育活動により役立てられるよう、馬陵山の地元管理部門と話し合っている。(c)Xinhua News/AFPBB News