【6月18日 AFP】米大富豪一家の子女で、ソーシャライト(社交界の名士)として一世を風靡(ふうび)したデザイナーで芸術家のグロリア・バンダービルト(Gloria Vanderbilt)さん(95)が17日、胃がんにより死去した。息子で米CNNテレビキャスターのアンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)氏が発表した。

【写真特集】2019年に亡くなった海外の著名人

 鉄道王コーネリウス・バンダービルト(Cornelius Vanderbilt)氏のやしゃごであるグロリアさんは1930年代、親権争いの渦中に置かれた「かわいそうな金持ちの女の子」として初めて世間の注目を集めたが、その後は自らが立ち上げたデザイナージーンズやセレブファッションのブランドでも名声を得た。

 CNNの放送で追悼文を読み上げたクーパー氏は、「彼女は画家、作家、デザイナーであったが、素晴らしい母親、妻、そして友人でもあった。95歳だったが、親しい関係にあった人なら誰もが、知る限りで誰よりも若く、一番クールでモダンな人だと言う人だった」と述べた。

 芸術家肌で華のあるバンダービルトさんはファッションやゴシップ欄で常に注目され、4度の結婚に加え、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)、ジーン・ケリー(Gene Kelly)、マーロン・ブランド(Marlon Brando)を含む多くの男性と関係を持つなど、波乱に満ちた恋愛でも知られた。

 バンダービルトさんと親しかった人物には、映画俳優・監督のチャーリー・チャップリン(Charlie Chaplin)や作家のトルーマン・カポーティ(Truman Capote)がいる。カポーティが著した1958年出版の小説「ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)」の主人公で、映画版ではオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が演じたホリー・ゴライトリー(Holly Golightly)は、バンダービルトさんがモデルとなったともされる。(c)AFP/Maggy DONALDSON