【6月17日 AFP】太平洋の島国パラオは、巨大な海洋保護区の設置計画を一部変更し、日本の漁船に一部海域での操業を認める方針を明らかにした。

 今年に入り国連(UN)の食糧農業機関(FAO)は、魚類資源が世界中で過剰搾取されていると警告している。

 以前から海洋保全の先進国とみなされてきたパラオは来年から、スペインの面積とほぼ同じ広さの50万平方キロメートルに及ぶ排他的経済水域(EEZ)の80%で、外国漁船による商業漁業を禁止する。

 残る20%は自国の漁船の操業のために確保する計画だったが、トミー・レメンゲサウ(Tommy Remengesau)大統領は、パラオの主要援助国の一つである日本から、計画変更の求めがあったことを明らかにした。

 これを受けて同国では先週、外国の一部のはえ縄漁船については同域での操業を許可する法案を可決した。

 レメンゲサウ大統領は、この変更は何世代も前から同域で漁業を行ってきた沖縄県の漁船を受け入れるための措置だと説明。「わが国は日本と親密な関係にあり、日本の漁船を可能な範囲で受け入れたい」と述べた。

 ウミー・センゲバウ(Umiich Sengebau)天然資源・環境・観光相は、今回の計画変更により海の聖域の価値が損なわれることはないと説明した。

 海の聖域化計画に協力した環境団体「ピュー・ベータレリ・オーシャン・レガシー(Pew Bertarelli Ocean Legacy)」は、今回の計画変更について調査を行っているとしている。

 パラオは2009年、世界に先駆けてサメの保護区を設置。来年には、「サンゴ礁に有害」な日焼け止めを禁止する。(c)AFP