【6月16日 AFP】シリア北西部で15日、複数の村でバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領派の軍隊と反体制派らの戦闘があり、空爆などで少なくとも民間人10人、戦闘員35人が死亡した。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。死亡した戦闘員は多くが政権側だった。

 シリア人権監視団のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、ロシアが支援する政権軍は、イスラム過激派と反体制派勢力が数週間前に掌握していたハマ(Hama)県北西の村、ジャビン(Jibine)とタルメル(Tal Maleh)の奪還を目指し、15日朝から5回にわたって攻撃を実施。奪還には失敗したが、政府軍側の空爆でイスラム過激派と反体制派側の戦闘員9人が死亡した。

 これに続き、ハマ県北部でも戦闘が発生。政権側の兵士26人が死亡した。このうち8人は地雷の爆発によるものだという。

 このほか、隣接するイドリブ(Idlib)県でも政権側が空爆を実施し、子ども3人を含む民間人10人が死亡した。

 シリア人権監視団によると、イドリブ県では4月末からシリア政府軍とロシア軍による攻撃が激しさを増しており、これまでに400人近い民間人が犠牲になっている。

 イドリブ県に関しては昨年9月、大規模な戦闘を回避する目的で緩衝地帯を設けるとした停戦合意が成立しているが、イスラム過激派勢力は合意の履行を拒否。停戦は有名無実化している。(c)AFP