【6月14日 AFP】米ロック歌手ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)(69)が、5年ぶりのニューアルバム「ウエスタン・スターズ(Western Stars)」を14日にリリースする。

 自ら「宝石箱のような」と形容する19作目のアルバムについて、スプリングスティーンは「キャラクターを中心に展開する曲と、広がりのある映画のオーケストラのようなアレンジが特徴だった自分のソロ作品への回帰だ」と語っている。アルバムではおなじみのしゃがれ声を張り上げ、米国の今を哀愁を込めて歌うスタイルは健在だが、インスピレーションの源には変化がみられる。

 スプリングスティーンは今回、経済の衰退で寂れた米国のラストベルト(Rust Belt、さびの地帯)の小さな町を歌う代わりに、1960年代、70年代の南カリフォルニアのカントリーポップに目を向けた。スプリングスティーンが歌い出すのは、カリフォルニアの浜辺の下にゆっくりと埋もれつつある米国の黄金時代への深い郷愁、そして復活への希望だ。

 スプリングスティーンによると、全13曲からなるこのアルバムでは「ハイウエーと荒涼とした空間、孤立感とコミュニティーといった米国的なテーマが網羅」されており、「故郷と希望の不変性」も語られているという。(c)AFP/Tori Otten