【6月10日 AFP】米国が安全保障上の懸念を理由に中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ、Huawei)の製品の使用を避けるよう欧州諸国に働き掛ける中、同社はアフリカですでに築いた地位をさらに強固にしようと模索している。

【図解】第5世代移動通信システム(5G)

 ファーウェイは第5世代(5G)移動通信網の開発において世界中で先導的な役割を果たしてきたが、米政府が同社製品は中国情報機関への情報流出に利用されかねないと非難して以降、混乱に陥っている。

 世界2位のスマートフォンメーカーであるファーウェイは、こうした疑惑を真っ向から否定しているが、米政府は他国に対しても同社製品の使用を避けるよう促しており、すでに同社と距離を置いた企業もある。

 一方、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は7日、米政府のこうした試みはファーウェイを世界市場から「強引に」締め出そうとするものだと非難してこの問題に介入。その数日前にロシア通信企業MTSは、ロシア国内で5Gを共同開発する契約をファーウェイと結んでいる。

 ロシア・サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で開催された経済フォーラムに出席した中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、中国は「技術的発明、とりわけ5G技術をすべての提携国と共有する用意がある」と述べた。

 ナイロビを拠点とする経済アナリストのアリカーン・サッチュ(Aly-Khan Satchu)氏は「アフリカ諸国にとっては、米中貿易戦争は最終的に二者択一となるかもしれない。単に無視することは非常に難しいだろう」と指摘した。