【6月5日 AFP】ベトナムの私設動物園で飼育されているトラが、元従業員の男性の腕などをかみちぎる出来事があった。地元当局が5日、明らかにした。

【関連記事】ペットのシカに襲われ男性死亡、女性も重体 豪

 同国では、野生下で生息するトラはごく少数にすぎないものの、ペットとして飼われたり、動物園で飼育されたりしている個体数は数百頭に及ぶという。

 匿名でAFPの取材に応じた当局者によると、事故が起きたのは、同国南部ビンズオン(Binh Duong)省にある私設動物園。49歳の被害者の男性は、トラのおりのそばで発見された。

 動物園はしばらくの間、公開をとりやめるという。

 国営メディア「トイチェ(Tuoi Tre)」は、この男性が病院のベッドで話す動画を公開。男性によると、トラに片手をかまれ、逃れようとしたところにもう一方の手をかまれた。

 トラが襲い掛かった原因は分かっていない。

 病院の医師はトイチェに対し、トラが男性の左手首下と、右腕の大半をかみちぎったと説明。ただ出血は止まっており、「危機的な状況は過ぎた」と述べている。

  地元メディアによると、同省にはトラをペットとして飼育する農場が複数存在し、トラによる襲撃はここ3年で2度目。

 同国では、当局の許可があれば、トラをペットとして飼育するのは合法とされており、自然保護団体によれば、全土で推定240頭のトラが民家や動物園などで飼育されている。(c)AFP