【6月2日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がかつて「首都」としていたシリア北部ラッカ(Raqa)で1日、自動車爆弾による自爆攻撃があり、10人が死亡、20人が負傷した。

 自爆攻撃があったのはISがラッカ支配時に斬首を行っていたアルナイム(Al-Naim)広場。在英NGOシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、この自爆攻撃で民間人5人と「シリア民主軍(SDF)」の民兵5人が死亡した。犯行声明は出ていない。

 SDFは米軍が支援したクルド人とアラブ人の合同部隊の民兵組織で、2017年10月にラッカをISから奪還した。シリア人権監視団のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに「SDFの配備地点が標的だった」と述べた。

 ラッカは繰り返しISの標的になっており、同監視団によると、今回の攻撃の前にもラッカ市内の別の場所で数人が負傷する爆弾事件が起きていたという。

 ISは2014年、イラクとシリアにまたがる地域に勢力を拡大し「カリフ制国家」の樹立を宣言した。米国主導の有志連合が支援した掃討作戦により、3月23日に「カリフ制国家」の壊滅が宣言された。しかしISの残党はシリアの砂漠地帯に分散して潜伏しており、イラクとシリアの両国で待ち伏せ攻撃や奇襲攻撃が続いている。(c)AFP