【5月31日 AFP】バングラデシュの沿岸警備隊は、30日に危険を冒して海路でマレーシアに渡ろうとしていたミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民58人を保護し、密航あっせん業者とみられる2人を逮捕したと発表した。

 沿岸警備隊の担当者によると、ベンガル湾(Bay of Bengal)に浮かぶバングラデシュ領セントマーチン島(St. Martin's Island)近海で、情報提供を受けて出動した巡視船が漁船を停止させて船内を確認したところ、ロヒンギャ58人を発見した。

 仏教徒が多数を占めるミャンマーでは2017年8月、軍がイスラム系少数民族ロヒンギャを弾圧したことで、約74万人のロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れた。

 バングラデシュの難民キャンプでは、毎年数千人のロヒンギャがマレーシアやタイのような国でのより良い機会を求めて逃亡を試みている。

 バングラデシュ当局は今年これまでに、沿岸部の村々でマレーシア行きの船を待つロヒンギャ400人以上を保護してきた。

 しかし、海上での救出は今回が初めてで、100万人近くがひしめき合って暮らし、超過密状態となっているバングラデシュの難民キャンプの状況悪化への懸念を引き起こしている。(c)AFP