【5月30日 AFP】カタール外務省は29日、サウジアラビアのメッカ(Mecca)で開催される湾岸地域の首脳会議に、アブドラ・ビン・ナセル・ビン・ハリファ・サーニ(Abdullah bin Nasser bin Khalifa al-Thani)首相が出席すると発表した。会議は中東における緊張の高まりに関するもので、2017年6月にサウジがカタールとの国交を断絶して以降、両国が首脳級の接触を持つのは初めて。

 サウジアラビアはアラブ首長国連邦(UAE)や同盟諸国と共に、カタールとの国交を断絶。海上輸送や商取引、直行航空便の運航、航空機の上空通過、陸上国境通過を拒否するなどの措置を取ってきた。

 カタール外務省のロルワ・ハテル(Lolwah al-Khater)報道官は、湾岸、アラブ、イスラム圏諸国の各首脳会議に関する同国指導部の決定として「アブドラ・ビン・ナセル・サーニ首相をメッカでの3件の首脳会議に派遣する」と発表した。

 一連の首脳会議は3日間にわたり開催される予定で、中東におけるイラン、米国、米国の同盟諸国の対立の深まりや、中東で最近発生した暴力事案が議題となる見通し。

 湾岸地域では今月、サウジアラビアのタンカー数隻が不可解な攻撃を受けたほか、イエメンの反政府武装組織フーシ派(Huthi)がサウジの石油パイプラインをドローンで攻撃。サウジ政府は、フーシ派はイランの指示で動いていると主張している。

 ハテル報道官は「カタールは常に、アラブやイスラム、国際社会の問題をめぐる議論に積極的に関与してきた。今回も地域全体の利益を考える」と述べた。

 一方、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)によると、同国のタミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)首長は首脳会議に出席しない見通し。(c)AFP/Gregory Walton