【5月26日 AFP】フランス・カンヌ(Cannes)で開催されていた第72回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)は25日、韓国のポン・ジュノ(Bong Joon-ho)監督(49)が手掛けた『Parasite(パラサイト)』がコンペティション部門最高賞のパルムドール(Palme d'Or)に選ばれた。韓国人監督のパルムドール受賞は今回が初めて。

『パラサイト』は、韓国の底辺層の一家を描いたブラックコメディ-。『オクジャ(Okja)』や『スノーピアサー(Snowpiercer)』などの大胆なアートシアター系映画で知られるポン監督は、貧富の格差拡大によって世界中で引き起こされている緊張を大いに利用した風刺で批評家に絶賛された。

 仏女優カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)さんからパルムドールを授与されると、ポン監督はカンヌでの受賞は一生の夢だったと語った。ポン監督はパルムドールを高々と掲げ、「私は12歳の頃から、映画に夢中な少年だった」と述べた。

『パラサイト』と似たテーマを扱った昨年の受賞作、是枝裕和(Hirokazu Koreeda)監督の『万引き家族(Shoplifters)』に続き、2年連続でアジア映画がパルムドールを受賞した。『万引き家族』は万引きで生計を立てている一家を扱ったもので、日本の隠れた貧困に光を当てた。

 米ハリウッド俳優のブラッド・ピット(Brad Pitt)とレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)が初共演した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time... in Hollywood)』は、クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の作品としてはここ数年で最も良い評価を受けていたが、受賞は逃した。(c)AFP/Deborah COLE