【5月25日 AFP】人道危機下の性暴力、およびジェンダーに基づく暴力の根絶を目指す国際会議が24日、ノルウェーで開催され、活動のために3億6300万ドル(約397億円)が拠出されることになった。

 国連(UN)によると、ノルウェー首都オスロで開かれた会議の終了時に、21の援助国が2019年と2020年、それ以降も資金援助をすることを約束した。

 マーク・ローコック(Mark Lowcock)国連事務次長(人道問題担当)によると、性暴力と闘う取り組みの資金として今年は約6億6000万ドル(約721億円)が必要だという。

 開催国ノルウェーのイーネ・エーリクセンスールアイデ(Ine Eriksen Soreide)外相は、「性暴力およびジェンダーに基づく暴力は、人と地域社会を破壊し、その傷を治すのは極めて困難だ」と発言。「だからこそ、それを防ぐためにわれわれはもっと行動しなければならない」と述べた。

 ノルウェーは2019~2021年に10億クローネ(約126億円)の拠出を約束した。

 コンゴ民主共和国の婦人科医でノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)氏は、「女性と少女に対する暴力がついに、深刻な女性の人権侵害としてだけではなく、まん延している公衆衛生上の問題であり、極度の貧困やエイズウイルス(HIV)とエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)、紛争管理など、世界的な問題を解決する上での障害として認識された」と述べた。

 国連は、世界中の女性の3人に1人が生涯のある時点で性暴力、またはジェンダーに基づく暴力を受けることがあるとしており、人道的危機下ではこうした問題はさらに悪化する。(c)AFP