【5月25日 AFP】女子テニス、世界ランク1位の大坂なおみ(Naomi Osaka)は24日、2019年シーズンに四大大会(グランドスラム)全勝を達成できれば「すごい」ことになるとする一方で、急激な自身の出世に実年齢の21歳ではなく35歳のような気分になっていると明かした。

 昨年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)に続き、今年1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)を制した大坂は、メジャー大会では自身初のトップシードとして全仏オープンテニス(French Open 2019)に挑む中、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)で優勝し、そして米ニューヨークで開催される全米オープンでタイトル連覇を果たせない理由はないという認識を示した。

 全仏開幕を26日に控えて大坂は、「現時点で夢見ているのはローラン・ギャロス」とすると、「これから先の目標について話すなら、もちろんまだウィンブルドンでは優勝したことがないし、一年で全部優勝できれば本当にすごいこと」とコメントした。

 女子シングルスで年間グランドスラムを達成したのは、1988年のシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏が最後となっており、それ以前にも1953年のモーリーン・コノリー(Maureen Connolly)氏と、1970年のマーガレット・コート(Margaret Court)氏しか成し遂げていない。

 これまで全仏オープンで3回戦を突破したことがないものの、グランドスラム優勝は自分の運命という気持ちが増していると強調した大坂は、「年を取っているような気分だけど、実際は21歳。会見で話すときは、自分がいろんなことを経験してきた35歳くらいのような気持ちで話している」と明かした。

「常に大きな目標や夢を抱いてきた。18歳のときは世界1位になること、そしてグランドスラムで優勝することばかり考えていた。途方もなく聞こえるのは分かっている」「それが実現しなかったときは少し落ち込んだ。遅れてしまったような、パーティーに遅刻したような感じがした」

「それで、それからはおのおのの道筋があると悟った。私は自分を他人と比較するようなタイプではないし、とにかく全力で練習していくだけ。そうすればおのずと目標に到達する」

 コートの外で見せる控えめな姿とは裏腹に、コート内での自信を増している大坂だが、特にそれは家族に対しては当てはまっておらず、「今年(全豪で)、2回戦あたりで母に電話したとき、『この大会で優勝できそうだから、オーストラリアに来る?』と聞いたら、『ノー』と言われた」「『いいえ、お姉ちゃんと一緒にいる。ノーサンキュー』って」と明かした。

「オーストラリアでの目標は優勝することだった。毎日そう考えて目覚めていた。二つのトロフィーを目にしながら会場の通路を歩いて、女子のトロフィーの方をコツンとたたいていた」

 全豪オープン以降の大会では決勝進出を果たせないまま仏パリに到着した大坂は、今季のクレーコートシーズンでは複雑な経緯をたどっている。マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2019)では準々決勝進出を果たした一方で、ポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2019)は腹筋、前週のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2019)は手をそれぞれ痛めて棄権した。

「日ごとに良くなっているから、試合でプレーするまでには100パーセントになることを願っている」「この2日間は練習していて、順調に回復している。アイスバスに入ったばかりだから今はすごく寒いけれど、それ以外は良好」 (c)AFP/Dave JAMES