【5月24日 AFP】2001年にアフガニスタンでの戦闘中に身柄を拘束され、「米国人タリバン(American Taliban)」との呼び名で知られるようになった改宗イスラム教徒の米国人、ジョン・ウォーカー・リンド(John Walker Lindh)受刑者(38)が23日、連邦刑務所から釈放された。

 リンド受刑者に対しては、依然としてイスラム過激派的な主張を維持していると疑う向きもあるが、当初の刑期である20年に対し、17年での釈放となった。

 米連邦刑務所局(US Bureau of Prisons)によると、リンド受刑者は同日早朝、厳重な警備の敷かれたインディアナ州テレホート(Terre Haute)の連邦刑務所から釈放された。

 リンド受刑者の弁護士ビル・カミングス(Bill Cummings)氏は米CNNに対し、同受刑者は今後、インターネットの利用やイスラム主義者との接触が制限される厳格な保護観察の下、バージニア州で生活すると説明している。

 同受刑者は2001年9月11日の米同時多発攻撃後、米国の対テロ戦争における「被拘束者1号(Detainee 001)」として名が広まり、多くの米国人にとって自国に対するイスラム過激派の脅威の象徴となった。

 今回の釈放は、当時の記憶を呼び起こさせると同時に、タリバンとの戦いを始めて20年近くが経過した今も、米国が終わりの見えない苦境にあることを浮き彫りにする出来事でもある。(c)AFP/Paul HANDLEY