【5月22日 AFP】米国は21日、シリアの政権側勢力が新たな化学兵器攻撃を実施した疑いがあるとし、報復を警告した。

 米国務省は、シリア反体制派のイスラム過激派勢力にとって最後の支配地域、北西部イドリブ(Idlib)県で19日に行われた攻撃で、政権側が化学兵器を使用したことを示す情報があると発表。現在評価を行っているとした。

 同省のモーガン・オータガス(Morgan Ortagus)報道官は「まだ、この事案に関する情報を集めているところだ。しかし、もし(バッシャール・)アサド(Bashar al-Assad)政権が化学兵器を使用すれば、米国と同盟国が直ちに、適切に対処するということを改めて警告する」と述べた。

 さらに同報道官は、ロシアが「偽情報作戦」によって化学攻撃を別の当事者の責任にしようとしていると述べ、シリア政府の主要な協力者であるロシアを非難した。

 シリアでは2011年からの激しい内戦で37万人余りが死亡、数百万人が家を追われてきた。国際査察団は、この内戦でアサド政権側部隊が一連の化学兵器攻撃を実施したとの見解を表明している。

 国連(UN)によれば、2017年4月にイドリブ県南部ハンシャイフン(Khan Sheikhun)で行われたサリンガス攻撃では、83人が死亡。これを受け、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は巡航ミサイル59発でシリアの空軍基地を攻撃した。

 映像は、政府軍拠点に対する攻撃の準備をする、反体制派勢力の「国民解放戦線(NFL)」。イドリブ県に隣接するハマ(Hama)県で21日に撮影。(c)AFP