【5月19日 AFP】米南部アラバマ(Alabama)州など多くの州で妊娠中絶を規制する法成立が相次いでいることを受け、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は18日、自身は「妊娠中絶に断固反対だ」と言明した上で、レイプや近親相姦で妊娠した場合は例外との見解を示した。次期大統領選を来年に控え、大きな争点となる中絶問題に関する自身の立場を明確にする狙いだ。
 
 アラバマでは15日、米国で最も厳格とされる中絶禁止法案に州知事が署名し、同法が成立。施行後は、レイプや近親相姦による妊娠を含め、中絶はほぼ全面的に禁止される。

 
 トランプ氏は18日、ツイッター(Twitter)への投稿で「国民の多くは知っているだろうが、知りたがっている人たちのために言う。私は中絶には断固反対だ」と述べた上で、「ただし、3つの例外がある」と付け加え、レイプ、近親相姦による妊娠と、母体に生命の危険が及ぶ場合の3つは中絶禁止の例外とした。トランプ氏によれば、故ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)元大統領も同じ立場だったという。

 大仰な物言いで知られ、2度の離婚歴がある富豪のトランプ氏は2016年の大統領選で、中絶反対派を連邦最高裁判事に指名すると公約に掲げてキリスト教福音派の票を獲得した。

 アラバマ州の他、ジョージア、オハイオ、ミシシッピ、ケンタッキー、アイオワ、ノースダコタ各州が、胎児の心拍が確認できてからの中絶を禁止しており、ミズーリ州でも、妊娠8週以降の中絶を禁止する法案が可決されたばかり。(c) AFP