【5月18日 CNS】「端午節」(6月7日、旧暦5月5日)まであと1か月を切り、中国・珠江(Pearl River)デルタの流域各地はドラゴンボートの季節を迎えている。

 広州市(Guangzhou)荔湾区(Liwan)泮塘郷(Bantang)で旧暦の4月8日に当たる12日、村人らは荔枝湾(Lizhiwan)地区の川底に沈めてあった村のドラゴンボート7隻を引き揚げた。そのうち、船齢が最も古い「仁威(Renwei)」号は、すでに400年の歳月を経ている。

 中国の南方は雨が多く、多湿な気候だ。毎年の端午節のドラゴンボートレースが終わると、ボートは川底に沈められる。粘性のある川泥がドラゴンボートを包み込んで空気から隔絶することで、数百年を過ぎてもボートは壊れることなく保存されてきた。

 珠江デルタ流域の村では毎年、旧暦4月8日か別の吉日を選び、川底で1年間眠ったドラゴンボートを引き揚げる儀式を行う。

 この日は、伝統的な祭礼儀式の後、舟の引き揚げ担当の村民らが一斉に川に飛び込み、まず、ボートにたまっていた泥や砂をすくい出す。さらにボートを揺すって底に固まっていた川底の泥を崩すと、徐々にボートが水面に浮かんでくる。おけやブラシなどの道具を使って、さらに泥などを取り除く。洗浄が終わってきれいになったボートに竜頭と竜尾を据えると、見違えるようになる。「竜船鼓(Longchuangu)」と呼ばれる太鼓を乗せると、待ちかねた村人らは我先にと舟に乗り込んでこぎ出すのだ。

 儀式が終わると、これらのドラゴンボートは整備を行って色を塗り直し、端午節のレース本番に備える。(c)CNS/JCM/AFPBB News