【5月18日 Xinhua News】中国天津市(Tianjin)の中新天津生態城(中国・シンガポール天津エコシティ)でこのほど、自動運転バス3台が導入され、自動運転技術が現実の生活という舞台で披露されることになった。

 同エコシティの担当者によると、3台の自動運転バスは中新(中国・シンガポール)友好図書館を始発停留所とし、信息園(情報パーク)を終着停留所とする全長2.5キロの路線を時速15〜20キロ、片道15分で走行する形で、先行的に試験導入された。

 バスの外観デザインには「かわいらしい」パンダがモチーフに取り入れられている。バスの研究開発エンジニア、左中梁(Zuo Zhongliang)氏は、バス車両は全長12メートルで、電動機を動力源とする新エネルギー、自動運転、付加価値サービスの3方向からのレベルアップを実現したと説明した。

 最大の目玉である自動運転については、このバスは車両や交通弱者、信号機など周囲の情報を感知・識別し、車両をコントロールして自動で加減速や方向転換、緊急制動、車線変更、停留所への出入りなど各種機能を実現した。

 従来型のバスと同様に、このバスにも運転席があり、各車1人の安全管理員が乗り込み、緊急事態が発生した場合には自動運転から手動操作に切り替える。安全管理員がハンドルのそばにある自動運転ヒューマン・マシン・インタラクション(HMI)のディスプレーに表示された「自動運転モード」のボタンをタップすれば発車する。

 車内には音声対話システムや運転手の疲労警報システム、人工知能(AI)自動販売機などを配備している。高精度スマート生体認証システムを通じた手のひら認証乗車や車内での手のひら認証購入を実現した。乗客は着席後、各座席の背面にある小型インタラクティブ・ディスプレーで運行経路などを尋ねることができる。

 バスの研究開発を行った深蘭科技(ディープブルーテクノロジー)の趙旭(Zhao Xu)副総裁は、このバスは乗客による窃盗やけんか、喫煙などの行動を識別・分析すると説明した。この種の行為を識別・検知した場合は、システムが行為者の身体的特徴を記録し、直ちに警戒放送を行うという。(c)Xinhua News/AFPBB News