【5月15日 AFP】ネパール当局は14日、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世に関する記事を配信したとしてネパール人記者3人が取り調べを受けていると明らかにした。中国の影響力が隣国ネパールにも及んでいることが示されたかたちだ。

 記事についての説明を求められたのはネパール国営RSS通信の記者3人。3人はダライ・ラマが先月退院し、インド北部ダラムサラ(Dharamshala)に戻ったとの記事を翻訳していた。

 記事が配信されたのと同時期、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席から招待を受けていたネパールのビドヤ・デビ・バンダリ(Bidhya Devi Bhandari)大統領が訪中している。

 中国は貧困国ネパールにとって重要な開発支援国であり、昨年度は水力発電や道路、インフラ開発に5870万ドル(約64億円)以上を投資。またネパール政府は2017年5月、中国の広域経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」への協力に関する合意文書を中国政府と交わしている。

 かつてネパールはチベット人にとって安全な場所であったが、現在では警察による取り締まりが強化され、抗議活動や祝賀行事が妨害されているという。(c)AFP