【5月15日 東方新報】中国・江西省(Jiangxi)上饒市(Shangrao)で、10歳男児が同級生の女児の父親に小学校内で刺殺された事件が、同国内で注目を集めている。行為を責めるネットユーザーや、事件の背後にある原因を追究するネットユーザーもいる。警察によると、男は同校児童の保護者の王容疑者(41)。王容疑者の子どもと被害者である男児との間のもめごとが原因とみられる。王容疑者は刃物で男児を刺し、男児は病院に緊急搬送されたが、死亡した。

 上饒市公安局信州分局の発表によると、10日午前9時16分頃ごろ、同市第五小学校の仮校舎内で発生。同校教員によると、事件発生時、児童らはちょうど授業中で、王容疑者は教室に入り、授業を中断させて、刃物を男児に向けた。教室内には悲鳴が上がったという。

 同市教育局の呉副局長によると、王容疑者は刃物で男児を傷つけた後も現場に留まったため、駆け付けた警官によって取り押さえられた。

 上饒市教育局職員は、同市信州区党委員会の政治法律委員会と公安部門が合同調査チームを作り、調査を行っていることを明らかにした。

 一方、インターネット上では、多くのスクリーンショットが流れている。「第五小学校某クラス」と名付けられた微信(ウィーチャット、WeChat)グループのチャット画面を撮ったもので、そこには事件発生前に「何ちゃん(仮名)のパパ」と称するグループのメンバーが、刺殺された男児に対して送信したと思われるメッセージがある。

「劉ちゃん(男児、仮名)は、何ちゃん(女児)をたたいて楽しいの? 学校が始まってからほとんど毎日、たたいたりののしったり…。何ちゃんのママは、君と何度も話し合ったよね。私もたたかないように話をしたけれど、聞く耳を持たないみたいだね…。分別のない保護者が毎日、学校の校門のところで待ち伏せすることになるぞ」。同グループの他のメンバーの中には、「話せば分かる。子どもたちはまだ小さく、物事が分からない年齢だから、保護者同士で話をした方が良い」と書き込む人もいた。

 事件の調査に関わっている上饒市信州区政府職員によると、これらのスクリーンショットの内容が事実であるかは公安部門の調査を待たなければならないが、警察側が発表した王容疑者が、「何姓」の児童の父親であることは確かだという。

 週末を経た13日の月曜日、同小学校は授業を再開した。校門で多くの教員や警備員らが出入りを厳しく管理し、保護者が校内に立ち入ることは禁止されていた。

 上饒市信州区ニュースセンターの微博(ウェイボー、Weibo)公式アカウントは11日、王容疑者は容疑を認めているという。事件が起きた小学校の校長は、停職処分となっている。(c)東方新報/AFPBB News