【5月13日 AFP】ドイツで「モスク税」の導入を支持する動きが広がっている。国内のイスラム教施設が依存する外国の資金源に、反民主的な勢力や過激派とつながっている恐れがあるため、こうした資金源への依存を減らすのが目的だという。

 独紙ウェルト日曜版(Welt am Sonntag)は12日、独連邦政府が議会からの質問に対し「導入の可能性がある」と回答したと報じた。自己申告に基づいて国内のキリスト教徒から徴収している「教会税」と同様の税制で、国内16州のうち複数の州が原則支持を表明しているという。

 ドイツでは、モスク(イスラム礼拝所)に外国資金源の影響が及ぶことへの懸念が高まっている。独国内には、トルコやアラブ諸国の出身者を中心に推計500万人のイスラム教徒が暮らしている。

 独国内の約900か所でモスクを運営する「トルコ・イスラム宗教施設連合(DITIB)」は、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権の管理下にある。イマーム(宗教指導者)の給与をトルコ政府が支払っているほか、DITIBの複数の関係者には、エルドアン政権に批判的な独在住のトルコ人に対するスパイ行為の疑いもかけられている。

 ウェルト日曜版は、同紙が行った調査で、国内のモスク団体は独自に資金を調達できるようになるべきだとの主張に複数の州政府が同意したとも伝えている。(c)AFP