【5月12日 AFP】ナイジェリアでは、若い女性であるということが「犯罪」だ――首都アブジャで先月、帰宅中に逮捕された美容師の女性(25)はそう語る。この女性は、自分を守る存在であるはずの警察官らに先月拘束され、暴力を加えられた揚げ句にレイプされたと話す。

「午後9時半、もしくは10時ごろ、歩いて帰宅していた」「路上で私は、『夜遅くにふらついている』として警察に逮捕された」

 警察官らは4000ナイラ(約1200円)を支払うよう要求してきたが、持ち合わせはなかったという。

 感情が押し寄せ、声を震わせながら、「建物の裏の茂みに連れて行かれた」「(その場には)4人いて、痴漢され、3人が押さえつけている間に1人からレイプされた。コンドームを使わずに」と、この女性は話した。

 アブジャでは先月、2度にわたる取り締まりで、ナイトクラブやホテル、バー、さらには路上から、数十人の女性が連行された。逮捕された女性たちには売春の疑いが掛けられているものの、女性たちの多くは激しく否定。

 アフリカ最大の人口を抱えるナイジェリアのニュースやソーシャルメディアでは、この取り締まりに対する怒りの声が沸き起こった。

 AFPに寄せられた女性たちの証言は、ナイジェリア連邦警察による残忍な性的暴行の数々を伝えている。

 同国では売春は違法とされているものの、各地の都市では今も存在しており、キリスト教徒が多い南部ではたいてい許容されている。

 その一方、イスラム教徒が多数を占め、シャリア(イスラム法)を採用する州も存在する北部は、南部と比べて許容度は低い。同国の中心部からやや北に位置するアブジャは、南部と北部双方の民族および伝統が混在している。