【5月10日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)は9日、元同級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が自身との再戦を避けているのは、昨年米ロサンゼルスのステープルズ・センター(Staples Center)で両者が初めて対戦した試合で脳振とうになったためだと確信している。

 今月18日に米ニューヨークで行われるドミニク・ブリーズエール(Dominic Breazeale、米国)との防衛戦を控え、報道陣との電話会見に臨んだワイルダーは、昨年12月に引き分けたフューリーとの再戦は望むところだと強調した。

 両者の再戦は、フューリーが米スポーツ専門チャンネルESPNと複数の試合を行う契約を交わしたことで白紙となっており、リターンマッチに向けた交渉は複雑な状況となっている。

 フューリーがワイルダー戦後に初めて戦うのは、トム・シュワルツ(Tom Schwarz、ドイツ)という比較的楽な相手に決まり、試合は来月15日に米ラスベガスで行われることになっている。

 ワイルダーは、いずれフューリーと再戦する日が来るとしながらも、「ジプシーキング」を自称する同選手が自分との試合を避けていると確信しており、「フューリーは俺と戦わない本当の理由を分かっている」「だから、あいつはESPNと契約したんだ。あいつは俺とのファイトを望んでいなかった」と語った。

 ラスベガスで行われたファイトでは、フューリーがスコアカード上で優勢となっていたが、12回にワイルダーにキャンバスに沈められてしまった。このダウンでワイルダーが負けを回避し、勝負をドローに持ち込んだ。

 しかしワイルダーは、フューリーが自身との再戦に応じるのは、勝てると確信してからだという認識を示し、「俺はフューリーを追い詰めてやった。俺の方が攻撃的だった」「最初のファイトのハイライトは、俺がフューリーをダウンさせたことだ。タイソンは俺との試合を望んでいない。あいつは、俺が脳振とうを起こさせたことを分かっている。あいつの決断は理解できる」と話した。

「あいつをひどく痛めつけてやった。俺があいつを脳振とうにしたんだ。あの男は記憶を失った。それは、健康的なことじゃない。だから、健全な精神状態を取り戻すために、ウオームアップや調整が必要なら、そうすればいい。好きなだけ準備してろ」

「あいつは、あと3試合すると言っている。その後で俺と戦うつもりだ。今度は俺が決着をつけてやる。だから、健康を取り戻しておけ。その時が来たら、俺は最高の状態のタイソン・フューリーを望んでいるのだから」 (c)AFP/Rob Woollard