【5月7日 AFP】紛争の絶えないミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州の村の住民らは6日、軍の包囲によって食料不足が深刻化していると訴えた。ここ1週間近い包囲の間に住民6人が殺害され、反政府勢力と疑われた多数が拘束されている。

 4月30日に政府の治安部隊が同州ラテーダウン(Rathedaung)郡内の村を襲撃し、尋問するために男性275人を地元の学校に連行した。その2日後に治安部隊は、部隊を攻撃し武器を奪おうとしたとして、拘束していた6人を殺害し、8人を負傷させた。

 治安部隊の襲撃以来、住民らは完全に出入りを禁止されており、6日にAFPとの電話インタビューに応じた数人は、食料が危険なほど不足していると証言した。

 ラカイン州では、仏教徒の少数民族ラカイン人の自治権拡大を求める武装組織アラカン軍(Arakan Army)を掃討するために、軍が数千人規模の兵力を再配備し、重火器を用いて戦闘を行っている。この戦闘により昨年12月以降、住民3万人以上が避難民となっている。

 同州北部では2017年、軍がイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に過酷な弾圧を加え、約74万人が隣国バングラデシュに避難。国連(UN)の調査団はこのとき、軍の行為はジェノサイド(大量虐殺)に値すると非難している。(c)AFP