【5月5日 AFP】アフリカ南東部マラウイの高等法院は3日、先天性色素欠乏症(アルビノ)の青年を殺害した罪に問われた男に死刑判決を言い渡した。マラウイではアルビノを標的にした襲撃事件や殺人事件が急増しているが、死刑判決は初めて。

 ウィラード・ミカエル(Willard Mikaele)被告は28歳だった2017年、南部チョロ(Thyolo)でアルビノの男性、ムパソ・ペンスロ(Mphatso Pensulo)さん(当時19)を殺害した。

 マクリーン・カンワンベ(Maclean Kamwambe)判事はチョロで3日に行われた判決の言い渡しで、「被告は短期間で富を得たいという動機で、呪術師の助言に従い、アルビノ殺害を計画した」と指摘。「状況によっては死刑判決が避けられない場合があるということはこれまで繰り返し言われてきたことであり、死刑判決はそのような事件に限り言い渡されるべきだ」と強調した。

 アルビノの人権問題に取り組んでいる国連(UN)独立専門家のイクポンウォサ・エロ(Ikponwosa Ero)氏は4日AFPに対し、死刑判決には強い反対を表明しつつ、今回の判決がアルビノ襲撃に対するマラウイ当局の意識の高まりを示していると語った。

 世界有数の低所得国で、支援への依存度が高いマラウイでは、2014年後半から「アルビノ狩り」が急増。富や幸運をもたらす呪術に使用する目的で、アルビノの体の部位を狙う事例が多い。

 マラウイでは1994年以降死刑が執行されておらず、死刑は終身刑に減刑されている。(c)AFP