【4月29日 AFP】カナダ東部で27日、豪雨により堤防が決壊し、同日夜と翌28日朝にかけてケベック(Quebec)州モントリオール付近の住民5000人余りに緊急避難命令が出された。

 同国第2の都市モントリオールの西に位置するサントマルトシュルルラック(Sainte-Marthe-sur-le-Lac)にあった堤防が27日夜に決壊し、水流が堤防を越えたため、周辺地域は最大1.5メートルの浸水被害に遭った。

 同地域の住民の一人は公共放送ラジオ・カナダ(Radio-Canada)に「何もする時間がなかった。話をしている間にも水が上がってきて薬を持って出るのがやっとだった」と語った。同州警察の発表によると、警官や消防隊員、兵士ら数百人が同地域にある約2600戸の住民の避難誘導にあたった。

 政府の最新の情報によると、ケベック州では8000人近くが避難を余儀なくされており、家屋約6000戸が浸水被害に遭った。この被害は過去半世紀で最悪となった2017年の同地域での規模を上回るものとなった。

 モントリオールと首都オタワの両市は先週、非常事態宣言を出していた。(c)AFP