【4月27日 AFP】男子ゴルフのタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)は、米国ツアーの今季メジャー第1戦、第83回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2019)を制して約10年間の低迷期に終止符を打った今、ジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏が持つメジャー最多勝利数の通算18勝に追いつけると確信している。

 43歳のウッズは先日、通算15回目にして2008年の全米オープン選手権(US Open Championship)以来となるメジャー制覇を成し遂げ、脊椎固定術から見事な復活劇を果たしてスポーツ界を驚かせた。

 2009年にセックススキャンダルが発覚した後、膝や腰の故障で7回の手術に踏み切り、メジャー大会で再びタイトル獲得を果たすのに長い時間を要したウッズだが、5着目のグリーンジャケットに袖を通した今回のおとぎ話によって、メジャー史上最多記録となるニクラス氏の通算18勝を目指す態勢を再び整えている。

 ウッズはPGAツアーの映像配信サービスGOLFTVのインタビューで、「すべてが自分の思い通りにいけば、常に可能だと思っていた」という認識を示し、「彼(ニクラス氏)は現役生活の果てに18勝に到達した。自分もキャリア再出発を果たした。それは数年前には思いもよらなかったことだが、物事が正しい方向にすべて自分の思い通りにいけば、それは可能だ」と語った。

「無理だと言うつもりはなかった。歩けなかった数年前を除いては」「今は、いろんな物事を自分の思い通りにしていく必要がある。それが可能かそうでないかは誰が断言できる? それは未来次第であり、自分にも分からない。約束できる唯一のことは、自分は準備を整えていくということだ」

 ウッズは自身の復活劇について実感しているか問われると、「いや、正直なところ実感していない。とても信じられないよ」「時々、長椅子から向こうを見渡してジャケットを見るようにしている。そうすると、やったんだと思える」と答えた。

 娘のサム(Sam Alexis Woods、11)さんと息子のチャーリー(Charlie Axel Woods、10)君が、有名人である父親がメジャー制覇を成し遂げる姿を見るのは、動画を除いてはこれが初めてとなった。

 メジャー初優勝を果たした1997年のマスターズで、今は亡き父親のアール(Earl Woods)さんと18番グリーンで抱擁を交わしたウッズは、今回の優勝の瞬間は父親の立場で子どもたちを抱きしめた。

「これまで子どもたちは、父親の人生にとってゴルフが良いものであることを知らなかった。唯一彼らが覚えているのは、ゴルフが父親にとてつもない痛みをもたらしたということだ」「今回はゴルフの良い面を見せることができた。それは自分の人生で長年にわたり経験してきたことだったが、闘いを乗り越えてここまで復活した今は良い気分だ」 (c)AFP