【4月26日 AFP】大火災に見舞われたフランス・パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)の壮麗なパイプオルガンが、燃え盛る炎の被害を免れていたことが25日、分かった。粉じんを除去する必要はあるが、分解修理はしなくてよさそうだという。

 火災警報が鳴った時に大聖堂内でこのパイプオルガンを演奏していたオルガン奏者、ヨハン・ベクソー(Johann Vexo)氏は、訪問先の米首都ワシントンで「とても良いニュースだ」と述べた。

 ベクソー氏は15年前からノートルダム大聖堂のオルガン奏者を務め、屋根部分から出火した15日午後6時15分頃も、毎日行われている夕方のミサでパイプオルガンを演奏中だった。火災警報が鳴ったため、ベクソー氏は信者らとともに外へ避難したという。

「どこも焼けていなかったし、溶けてもいなかった。消火活動の水で内部がほんの少しぬれただけだった」とベクソー氏は語った。

 文化財専門家やオルガン製造技師らが23日、2時間かけてオルガンの内部を調べたところ、「オルガンは隅々まで粉じんまみれになっていた」が「解体することなく清掃できそうだ」という。

 ベクソー氏は、26日にワシントンの「無原罪の御宿りの聖母教会(Basilica of the National Shrine of Immaculate Conception)」で行われるノートルダム大聖堂支援のチャリティー演奏会で演奏を披露するため訪米している。(c)AFP