【4月26日 AFP】米フロリダ州で20日に発生した米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のカプセル型宇宙船クルー・ドラゴン(Crew Dragon)のエンジン試験中のトラブルをめぐり、同社と米航空宇宙局(NASA)は25日になっても原因を明らかにせず、重大とみられるトラブルは謎に包まれたままとなっている。

 同宇宙船は年内に米国人宇宙飛行士を乗せ、国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられる計画となっている。

 イーロン・マスク(Elon Musk)氏が創業し最高経営責任者(CEO)を務めるスペースXは、フロリダ州ケープカナベラル(Cape Canaveral)での20日の地上試験中に「異常」が発生したと述べた。

 ニュースサイト「フロリダ・トゥデイ(Florida Today)」には、試験場から大量の煙が出ている様子を捉えた画像が掲載され、爆発の可能性があるとの臆測を呼んでいる。ツイッター(Twitter)には爆発の瞬間を捉えた動画が投稿されている。動画が本物であるかは証明されておらず、スペースXは動画の信ぴょう性を否定していない。

 20日の発表以降、スペースXは詳細を明らかにせず、NASAもいかなる質問もスペースXに問い合わせるようにと回答している。

 ただNASAの航空宇宙安全諮問委員会(ASAP)は25日、クルー・ドラゴンのエンジン「スーパードラコ(SuperDraco)」8個の発火によりトラブルが生じたことは認めた。

 同諮問委員会のパトリシア・サンダース(Patricia Sanders)委員長は、アラバマ州ハンツビル(Huntsville)での会合で、今回のトラブルで「負傷者は出ていない」とし「スペースXが調査を主導し、NASAも積極的に参加」していると述べた。(c)AFP