【4月24日 AFP】高級貴金属製品にトレーサビリティー(生産・流通過程の追跡可能性)を求める消費者の声に応え、信頼できる供給者から調達した環境に配慮した金やリサイクルされた金の使用を徹底するジュエリーブランドが出てきている。

 スイス・ジュネーブを拠点とする高級ジュエリーブランド「ショパール(Chopard)」は昨年、大手ジュエリーブランドで初めて「100%エシカル(倫理的)」な製品を提供すると表明した。

 カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)コンペティション部門最高賞パルムドール(Palme d'Or)のトロフィーの制作も手掛ける同社は、貴金属の採掘時に環境への負の影響を最小限に抑えるために設けられた厳しい基準を満たす、認証済みの業者とのみ取り引きするとしている。

 金を対象とした「責任ある」採掘のための認証や規格は多数存在するが、中でも二つの認証が主流となっている。一つは、コロンビアのNGOによるフェアマインド認証で、もう一つはスイスのマックス・ハーフェラー(Max Havelaar)財団による、より知名度の高いフェアトレード認証だ。

 両認証とも、環境を考慮した方法を取り入れている小規模の採掘者を支援するとともに、採掘者に対する適切な労働環境と賃金の提供を求めている。

 だが、こうした方法による採掘量は限られており、年間わずか数百キロにとどまっている。一方、世界全体の金の採掘量は年間約3300トンに達している。

 トレーサビリティーを考慮するジュエリーメーカーは、自社のエシカル製品の製造工程におけるすべての供給が追跡可能で、そのような供給がサプライチェーン全体の規格を定めた非営利団体「責任ある宝飾のための協議会(Responsible Jewellery CouncilRJC)」の認証を受けている企業からのものかどうかを厳しく確認している。

 RJC加盟者は、貴金属業界全体における倫理や人権、社会的慣習、環境に配慮した慣行についての厳しい基準に従わなければならない。