【4月21日 AFP】ボクシング、WBO世界ウエルター級タイトルマッチが20日、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で行われ、試合は王者テレンス・クロフォード(Terence Crawford、米国)の意図しないローブローでアミール・カーン(Amir Khan)が6回途中で続行不可能となり、予想外のTKOでクロフォードが王座を防衛した。

 2回目の防衛戦に臨んだクロフォードは、1回に大振りの右とこめかみへの左でダウンを奪うと、ラウンド終了間際にも同じような右のパンチでカーンをぐらつかせるなど相手を上回り、危ない場面なく試合をコントロールしながら進めていった。

 ところが迎えた6回47秒、強烈な左パンチがカーンの脚の付け根にヒットすると、カーンは体を折り、明らかに痛そうな表情でコーナーへ向かった。そして負傷による中断が入る中、続行を希望するかとのトレーナーの問いかけにカーンはノーと返答。5分間のタイムアウトを取ることもできたが、カーンはそれを選ばなかった。

 ここ11試合で9回目となるKOでの勝利を収めたクロフォードは、「あれはローブローじゃない」「ちょっとしたラッシュをかけていた。もっとパンチを浴びせて、相手を追い込もうとしていただけだ」と話した。パウンド・フォー・パウンドの最強ボクサーの一人と目されるクロフォードは、これで戦績を35戦全勝に伸ばしている。

 一方のカーンは、5分間のタイムアウトを取らずに棄権した理由について、「痛みがあった。腹にそれを感じて、脚が動かなかった。続けられなかった。普段ならKOされない限りはギブアップするようなタイプじゃない」とコメントした。

 いずれにせよ、カーンとしては3年前にサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)に強烈なKO負けを喫したWBC世界ミドル級タイトルマッチに続き、またしてもタイトル戦で残念な結果に終わった。これでここ4試合の戦績は2勝2敗。タイトルマッチの戦績は6勝4敗となっている。(c)AFP