【4月21日 AFP】アフガニスタンの首都カブール中心部で20日、通信・情報技術省のオフィスビルが武装集団から襲撃され、複数の死傷者が出た。当局が明らかにした。このビルで働いていた約2000人は数時間にわたって上層階に避難した。

 保健省の報道官はツイッター(Twitter)に、「きょうカブール市で起きた爆発・攻撃の結果、2人が殉教(死亡)、6人が負傷した」と投稿した。負傷者のうち3人は女性だったという。一方、内務省は民間人4人、兵士3人が死亡したと発表した。しかし、ソーシャルメディアに投稿された未確認情報によると、最終的な死者数はさらに増える恐れがある。

 AFP記者によると、20日午前11時40分(日本時間同日午後4時10分)ごろ大きな爆発音が1回あり、その後数時間にわたって散発的な銃声が続いたという。カブールの治安当局者は、「これまでに得られた情報によると、襲撃者4人が通信・情報技術省近くに乗り込み、アフガン治安部隊と銃撃戦になった」とAFPに語った。

 内務省は同日午後5時(日本時間同9時30分)ごろ、襲撃の収束を宣言。襲撃犯は全員殺害され、ビルにいた約2000人の文民スタッフは全員救助されたと明らかにした。

 襲撃されたオフィスビルはカブール市内で最も高いとみられる18階建て。下層階で銃撃戦になったため、ビルにいた人たちは上層階に移動した。襲撃が始まった時、10階で他の約30人と共に働いていたという女性は、銃撃戦が激しくなったため18階に移動するように指示されたと語った。匿名を条件に取材に応じたこの女性は、「女性たちは叫び声を上げていました。ビル内にある幼稚園の子どもたちが最初に避難させられました」と語り、最終的には全員が軍の特殊部隊に救出されたと話した。

 カブールではここ数週間比較的平穏な状況が続いていた。今回の襲撃について、アフガンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は「無関係」と主張している。これまでに犯行声明を出した勢力はないが、カブールでは、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のアフガン支部が複数回にわたって死者を伴う攻撃を実施している。(c)AFP/Mushtaq Mojaddidi and Thomas Watkins