【4月18日 AFP】中南米の左派政権一掃を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は17日、キューバへの渡航と送金に新たな制限を設けるほか、キューバ政府が1959年の革命後に接収した資産について、米国の裁判所で損害賠償請求訴訟を起こすことを認めると発表した。

 トランプ政権は長らく続いていた接収資産の問題をめぐる欧州諸国からの警告に逆らう形で、キューバとの和解を目指してバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が実行した措置の多くを撤回。

 また、キューバと同じく左派政権下にある中南米のベネズエラとニカラグアに対しても新たな制裁を科した。

 タカ派のジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はフロリダ州マイアミ(Miami)で開かれたピッグス湾事件(Bay of Pigs Invasion)関連の会合で演説し、今回の措置について「破滅的なオバマ時代の政策がもたらした結果を覆し、社会主義と共産主義の美化に終止符を打つもの」と説明。

 さらに「われわれは自由を愛するこの地域の愛国者と共にある」と強調し、家族を訪れる場合を除いて米国人のキューバへの渡航を禁止すると表明した。

 トランプ政権の対応は財政難にあえぐキューバに米国人観光客受け入れの道を開いたオバマ政権の政策に逆行するもので、キューバのブルノ・ロドリゲス・パリジャ(Bruno Rodriguez Parrilla)外相はツイッター(Twitter)で、「国際法とキューバおよび第三国の主権に対する攻撃」と非難した。

 中南米諸国に対する米国の対応をめぐっては、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領への資金の流れを断つことで政権を打倒することを目的に、米財務省がベネズエラ中央銀行と同総裁に制裁を科すと発表。

 また、ニカラグアのダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領とその妻ロサリオ・ムリジョ(Rosario Murillo)副大統領の息子であるローレアノ・オルテガ・ムリジョ(Laureano Ortega Murillo)氏がニカラグア運河建設計画をめぐり汚職を行っているとして、ローレアノ氏が米国内に保有する全資産を凍結するとも明らかにしている。(c)AFP/Leila MACOR / with Shaun Tandon in Washington