【4月13日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、リバプール(Liverpool FC)のユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は12日、モハメド・サラー(Mohamed Salah)に対する「不快極まりない」人種差別行為を非難し、同選手を侮辱したチェルシー(Chelsea)のファンを永久追放するよう求めた。

 11日に行われたチェルシーとスラビア・プラハ(Slavia Prague)のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)準々決勝第1戦が行われる前、6人のサポーターが「サラーは爆弾魔」と歌う動画がSNSで拡散された。

 イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)に移籍した2016年までチェルシーに所属していたエジプト代表のFWサラーはイスラム教徒であり、これまでも宗教をめぐって差別を受けてきた。

 チェルシーのスタッフは、拡散された動画の中の3人を特定し、チェコ・プラハで行われた試合で入場禁止とした。なお、他の3人はスタジアムを訪れる予定はなかったとみられている。試合はチェルシーが1-0で勝利した。

 リバプールは、動画は「卑劣かつ差別的なチャント」であり「危険で不安を駆り立てる」とした。一方のチェルシーは、今回の動画に関係した人物に対し、あらゆる可能な処分を科すと明言している。

 14日にリバプールはホームにチェルシーを迎えるため、この騒動はより一層センシティブな問題として扱われている。この試合はリバプールにとって優勝に向けた大一番となり、チェルシーにとってはトップ4フィニッシュの鍵を握る一戦となる。

 人種差別がまん延している今季のサッカー界で新たに起きた出来事について問われたクロップ監督は、今回のような行為は決して許容されないという明確なスタンスを示した。

「不快極まりない。起きてはならないことがまた起きた。チェルシーやリバプールだけの問題だと見なすべきではない」「個人的な意見だが、もしこういったことをすればスタジアムには永久に入れないようにされるべきだ」

 また、スタジアムからの永久追放処分のみが、人種差別行為をした人に対する適切な罰になると考える監督は「われわれの反応が強ければ強いほど、将来的にこういったことへの抑止効果はより大きくなる」と付け加えた。(c)AFP