【4月12日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)の新星シャルル・ルクレール(Charles Leclerc)は11日、初優勝を果たすためには、周囲からの高まる期待をはねのける必要があるという認識を示した。

 21歳でモナコ出身のルクレールは、次代のホープと大きくもてはやされる中、F1にとって記念すべき通算1000回目のレースとなる13日の中国GP(Chinese Grand Prix 2019)決勝に臨む。

 前回のバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2019)決勝で、ルクレールはほとんどの周回でトップを走っていたものの、終盤にエンジントラブルに見舞われて無念の3位に終わり、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)に優勝をさらわれた。

 今季第3戦の中国GPを控えた記者会見で、ルクレールは初めて表彰台に上ったことで一躍注目を浴びることになったと認め、「(オーストラリアでの)開幕戦では(5位に終わり)、誰も僕を優勝候補とは見ていなかった」「第2戦を終えてからは誰もが僕を優勝候補として見ているから、F1では物事が(変わっていくのが)とても早い」と語った。

「自分のやることに集中していかなければならない。マシンの内外で可能な限り懸命に仕事をこなし、全力を尽くしていく努力をする。そうすれば、結果は必ずついてくる」

 F1ではこれが2シーズン目で、名門フェラーリでは今季が初仕事となるルクレールは、「(バーレーンでは)勝利まであと一歩だったから、近いうちに初勝利を挙げたい」「それが目標で、そのために仕事をしている」と語った。

 フェラーリはバーレーンで、通算4度の総合優勝を誇るセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が5位に終わってペースが上がらない危機感に直面する中、チームメートのルクレールがそれを上回った。

 F1ドライバーとして一躍名の知れた存在になりつつあると記者から質問されると、ルクレールは笑顔を浮かべて「表彰台で顔を知ってもらえたのが、すごく大きい」と答え、モナコではよく気づかれるようになったと付け加えた。

「(ヘルメットのせいで)F1は表彰台に上がるか、何か偉業を成し遂げるまで顔を見られることがないスポーツの一つだ」「2週間前までそんなことはなかったけれど、今は前よりも顔と名前が一致してもらえるようになった。それはうれしいね。いいことだ」 (c)AFP/Peter STEBBINGS