【4月12日 AFP】スーダンで長期政権を維持してきたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領が軍のクーデターで解任されたことに関し、同大統領の強権支配への抗議活動を続けてきたデモ隊は11日、軍の評議会による政権移行を拒絶し、デモの継続を宣言した。

 アワド・イブンオウフ(Awad Ibn-Auf)国防相は国営テレビで、「政権を打倒」し、バシル大統領は「安全な場所」で拘束されていると発表。30年におよぶバシル政権の支配に幕が閉じられた。

 イブンオウフ氏は、今後2年間、大統領に代わり暫定軍事評議会が設置されると説明。また、新たな発表があるまでは国境および領空は閉鎖するとした。一方で、デモ隊に警告を発し、午後10時~午前4時までの夜間外出禁止令を出した。

 1989年のクーデターで権力を掌握したバシル大統領は、アフリカで最も長期にわたって政権を維持した大統領の1人。国際刑事裁判所(ICC)はジェノサイド(大量虐殺)と戦争犯罪の容疑でバシル氏に逮捕状を出している。

 これに対し、昨年12月からバシル政権に対する抗議活動を続けてきたデモ隊は、軍のこうした動きを拒否し、政権が一掃されるまで抗議運動を継続すると宣言した。

 陸軍本部前でデモ隊のシュプレヒコールを先導する様子がインターネット上に拡散し、抗議運動の象徴となったアラー・サラハ(Alaa Salah)さんは、「人々は暫定軍評議会を望んでいない」と述べた。

 サラハさんはツイッター(Twitter)の投稿で「バシル政権全体が軍事クーデターでスーダン市民を欺いている限り変化は訪れない」と主張。「われわれは市民評議会主導の移行を望んでいる」と述べた。(c)AFP/Jay Deshmukh and Abdelmoneim Abu Idris Ali