【4月8日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の動物園で7日、園内環境の荒廃と資金難が原因でライオン5頭を含む動物43頭がヨルダンに移送された。動物愛護団体「フォー・ポーズ(Four Paws)」が明らかにした。

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 フォー・ポーズによると移送された動物にはオオカミやサルも含まれ、体は痩せて衰弱し、これまで「悲惨な状況」の下で暮らしていたという。

 動物園はガザ地区南部ラファ(Rafah)にあり、10年以上もイスラエルの封鎖下に置かれた同地区で最も古い動物園。

 動物たちは鎮静剤を投与されてケージに入れられ、イスラエル経由でヨルダンへ移送された。うちライオン2頭は最終的に南アフリカに移送される予定。

 フォー・ポーズは3月末までに移送を始める計画だったが、ガザとイスラエルの武力衝突が再発したことで境界が封鎖され、ガザ地区に立ち入ることができずにいた。

 フォー・ポーズの広報担当者によると、今回の移送についてはイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)傘下のガザ当局と動物園の経営者から同意を得ており、経営者は動物を飼育する経済的余裕がなくなったと話しているという。

 また今回の移送はこれまでで最大で、事前に詰めの協議が必要だったという。フォー・ポーズによるとこの動物園では1999年の開園以降、多数の動物が爆撃によって死んでいる。(c)AFP